
AI試着が解決する課題は2つあります。購入者には、注文前に服が自分に似合うかを見せてくれます。出品者には、モデル撮影の代わりになります。ハンガーに掛けた服の写真が、カタログ写真やライフスタイル写真に変わるのです。私たちは同じオーバーサイズのカーディガンで両方のシナリオを試しました。太いケーブル編み、ゆったりしたシルエット、木製ボタンと、難しい条件がそろっています。
1. AI試着のしくみ
画像生成モデルは、複数の参照画像を同時に受け取れます。試着に使うのは、人物の写真と服の写真の2枚です。プロンプトでは各画像の役割を明示します。OpenAIはGPT Imageについて「各画像を番号と説明で指定する」よう勧め、GoogleもNano Bananaで複数の画像を新しいシーンの文脈として使う方法を紹介しています。
プロンプトは3つの要素で組み立てます。
- 参照画像の役割:「画像1は女性、画像2はカーディガン」。
- **保つもの:**顔、髪、体のプロポーション、ポーズ、ほかの服、背景。
- **服の特徴:**色、質感、シルエット、ボタンなどのディテール。モデルに「簡略化」させないためです。
2. 検証:全身写真でカーディガンを試着
人物の写真は、明るい壁の前に立つ全身写真で、白いTシャツとジーンズ姿です。服はハンガーに掛けたマスタード色のローゲージカーディガン。同じプロンプトをNano Banana ProとGPT Image 2.5に送りました。
画像1は女性、画像2はカーディガン。画像1の女性に画像2のカーディガンを
着せ、白いTシャツの上に前を開けて羽織らせる。顔、髪、体のプロポーション、
ポーズ、ジーンズ、スニーカー、グレーの壁は正確にそのまま保つ。カーディガン
は画像2のとおり正確に保つ:マスタード色、太いケーブル編み、オーバー
サイズ、大きな木製ボタン、パッチポケット、ドロップショルダー。自然な
着用感としわ、フォトリアル、文字なし、ロゴなし
| Nano Banana Pro | GPT Image 2.5 | |
|---|---|---|
| 顔、ポーズ、背景 | 保たれた | 保たれた |
| カーディガンの丈 | 元より短い | 元に近い |
| オーバーサイズ | 体に沿ったシルエットに | ゆったりしたシルエットを維持 |
| 編み目とケーブル | あり、細かめ | あり、元に近い |
| ポケットとボタン | あり | あり |
検証の結論:特定の服を試着するなら、GPT Image 2.5のほうがシルエットに忠実で、Nano Banana Proはオーバーサイズを少し「絞って」しまいました。どちらも顔と体型には手を加えておらず、自分の写真で試着するうえではそれが何より重要です。
3. 試着用の写真の準備
- **人物:**全身、正面向き、無地の背景、均一な自然光。胴体を隠さないよう、腕は体から少し離します。写真の服はTシャツやジーンズなど、シンプルで体に沿ったもの。
- **服:**全体が写るよう正面から、しわを伸ばしてハンガーに掛けるか無地の背景に平置き。シルエットとディテールがよく見えるほど、試着は正確になります。
- **プロンプト:**服のディテールを言葉で列挙します。色、質感、丈、ボタンなど。モデルはそれと画像を照らし合わせます。
仕上がりがほぼ良ければ、「カーディガンを太ももの中ほどまで長くして」と一文で直せます。ほかの部分はそのまま保たれます。
4. ネットショップ用のAIモデル着用画像
出品者は自分の全身写真を用意する必要はありません。モデルは言葉で説明できます。ハンガーに掛けたカーディガンの同じ写真から、体型の違う2人のモデルでカタログ写真を作りました。
マーケットプレイス用のカタログ写真:明るいブロンドの髪をお団子にした
細身の若いモデルが、暖かいライトグレーのシームレス背景の前に全身で
立ち、このカーディガンのボタンを留めて白いトップスの上に着用、ベージュ
のストレートパンツと白いスニーカー、片手をパッチポケットに入れている。
カーディガンは参照画像のとおり正確に保つ:マスタード色、太いケーブル編み、
オーバーサイズ、大きな木製ボタン、パッチポケット。やわらかく均一な
スタジオライト、フォトリアル、文字なし、ロゴなし
異なる体型で服を見せると、購入者はシルエットを理解しやすくなります。以前はモデル2人と撮影2回が必要でした。ライフスタイル写真なら、場所とコーディネートだけを変えます。
ライフスタイル写真:明るいブロンドの髪の若い女性が、晴れた朝に金色の
紅葉が広がる公園を歩いている。クリーム色のタートルネックとダーク
ジーンズの上にこのカーディガンを前を開けて羽織り、ロゴのない紙コップの
コーヒーを手に、自然な笑顔。カーディガンは参照画像のとおり正確に保つ。
フォトリアル、自然光、文字なし、ロゴなし
メイン画像、インフォグラフィック、ほかの商品画像についてはEC出品者のためのAIで、すぐ使えるプロンプトはAI商品写真のプロンプトで紹介しています。
5. すべての商品で同じモデルを使う
ショップのすべての商品に同じ顔のモデルを使いたい場合、毎回言葉で説明するのは不便です。顔立ちが少しずつ「ぶれて」しまいます。AI2Faceにはそのためのビルダーがあり、1〜4枚の写真から一度キャラクターを作れば、あとはキャラクター、服、ロケーション、ポーズを組み合わせて画像を作れます。キャラクターは保存され、再アップロードなしでどのシーンにも配置できます。人物撮影について詳しくはAIフォトシュートのガイドをご覧ください。
6. ChatGPTのバーチャル試着
2026年10月1日、OpenAIはChatGPTにバーチャル試着を追加しました。ショッピング検索の服やアクセサリーのカードに「Try on」ボタンが付きます。ユーザーが自撮り写真をアップロードまたは撮影すると、ChatGPT Imagesがその商品を身に着けた画像を生成します。参照写真は次回以降の試着用に保存され、パーソナライズ設定で変更や削除ができます。これはChatGPT内の購入者向け機能です。自社の商品や商品画像を撮影するなら、出品者はプロンプトでモデルを直接使うほうが便利です。
7. AI試着の限界
- **サイズやフィット感はわからない。**AIが描くのは服の見た目で、自分のサイズでどう着られるかではありません。サイズは販売者のサイズ表で。
- **ゆったりしたシルエットが「絞られる」。**オーバーサイズ、ボリューム袖、丈がコンパクトになることがあります。今回のテストではNano Banana Proがそうでした。
- **小さなディテールが変わる。**ボタンの数、ポケットの形、生地の柄は、実物と照らし合わせてください。
- **生地の感触は伝わらない。**厚み、やわらかさ、透け感は画像ではおおよそしか伝わりません。
- **元写真の質が重要。**上半身だけの写真や厚手の服を着た写真では、仕上がりが大きく落ちます。
まとめ
AI試着はすでに、顔、ポーズ、背景を安定して保ち、服を元に近い形で再現できます。今回のテストでは、オーバーサイズのカーディガンのシルエットはGPT Image 2.5のほうが正確で、モデルを使ったカタログ写真やライフスタイル写真にはNano Banana Proが向いていました。購入者にとって試着は色やデザインを判断する助けになりますが、サイズの判断はできません。出品者にとってはモデル撮影の代わりになり、ハンガーに掛けた1着の服が、さまざまな体型のカタログ写真や日常のシーンに変わります。AI2FaceならNano Banana ProとGPT Image 2.5を1つのジェネレーターで使え、キャラクタービルダーですべての商品に同じモデルを起用できます。
よくある質問
写真で試着するのに最適なAIはどれですか?
私たちのテストでは、どちらのモデルも顔、ポーズ、背景を保ちました。GPT Image 2.5はオーバーサイズのカーディガンの丈と編み目をより正確に再現し、Nano Banana Proは短めで体に沿ったシルエットにしました。人物の写真全般ではNano Banana Proが扱いやすく、手や顔がより自然です。
AI試着は無料でできますか?
一部は可能です。AI2Faceでは登録後にスタートクレジットが付与され、数回試着できます。各生成のコストは実行前に表示されます。
AI試着にはどんな写真が必要ですか?
全身、正面向き、無地の背景、均一な光で、腕を体から少し離し、体に沿った服を着た写真です。服は全体が写るよう正面から、無地の背景かハンガーに掛けて撮ります。
AIでサイズが合うかわかりますか?
わかりません。AIは色、デザイン、コーディネートとの相性は見せられますが、自分のサイズでの着心地や生地の感触はわかりません。サイズは販売者のサイズ表で確認してください。
商品画像用にAIで服をモデルに着せられますか?
できます。服の写真をアップロードし、モデル、ポーズ、背景を説明すれば、AIがカタログ写真を作ります。ボタン、ポケット、柄は確認してください。小さなディテールが変わることがあります。
出典
3
- https://help.openai.com/en/articles/6825453-chatgpt-release-notes
- https://developers.openai.com/api/docs/guides/image-prompting
- https://ai.google.dev/gemini-api/docs/image-generation












